心の中の顔、セルフイメージ

形成外科医のモルツ博士は、体の傷を治して元通りの外見を取り戻しても気持ちは暗く塞ぎこんだ患者と数多く接しました。

やがて「人間には表面的な顔に加えて、心の内面にも顔と心がある」と考えるようになりました。モルツ博士は心の内面にある顔と心を「セルフイメージ」と名付けました。

悲しみや後悔にくれていると…

モルツ博士は、セルフイメージを「自分に対する思い込み」と定義しました。例えば「自分は社交的だ」「内向的で人見知りをする」「健康である」「病弱で体が弱い」「仕事ができる」などです。

こういった思い込みは、人生の方向性を決定づけます。

「内向的で人見知りをする」と自己評価する人は、人と打ち解けない自分を無意識に演じるだろうということです。

セルフイメージは絶え間なく形を変えます。心の中に作り出してしまった後悔や心配事、悩みによって傷つきます。この傷は「自分で自分自身をどう見ているのか」「自分自身をどんな人間だと評価するのか」に影響を及ぼします。

モルツ博士は数多くの患者と接して、過去の悲しい出来事、激しい後悔、将来への不安が強い人ほど人生上での決断や、自己評価に悪い影響を及ぼしている傾向を発見しました。

私たちは無意識のうちに、自分が作ったイメージ通りの人間になろうとする。それ以上にもそれ以下にもなれない。

モルツ博士はこのような考えの基、見えない傷を負った人が立ち直る方法の研究を始めたのです。